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金沢・竪町商店街に新しいアートスポット:KAMU kanazawaが街と人をつなぐ!

 金沢の新しいアートスポット「KAMU kanazawa」が、いま注目を集めている。2020年6月に開館した広坂の〈KAMU Center〉を皮切りに、10月に香林坊東急スクエアの屋上に〈KAMU Sky〉、〈KAMU BlackBlack〉が竪町商店街の一角に同時に登場。12月には片町に〈KAMU L〉が登場し、拡張し続けている。

商店街内の空き地に新設された幅3m・高さ7m・奥行き20mの展示スペース。BlackBlackという名が表すように館内はまさに黒い立体キャンバスのようで、アーティストがのびのびと表現できるスペースになっている。

Photo:Ichikawa
Yasushi © Ryoichi Kurokawa Courtesy of KAMU kanazawa

オーナーは金沢でデザインを学び、現在はKAMU kanazawaを手がける林田堅太郎(けんたろう)。KAMUの館名は「Ken Art Museum」を意味している。

KAMU kanazawaのドキュメンタリー映像はこちらからご覧いただけます

BlackBlackではスペースのための作品として、オーディオビジュアルアーティストの黒川良一が手掛ける「Líthi (レーテー)」という最新作を体感することができる。

黒川は、イギリスのテート・モダンやイタリアのヴェネツィア・ビエンナーレなど、海外の名だたる展覧会で活躍する、日本を代表するアーティストでありながらも、日本で彼の作品を見る機会が限定されているのは惜しいと感じていたと林田。

そんな世界的な評価を受ける日本人アーティストの最新作を、なぜいま金沢の竪町商店街で公開することにしたのだろうか? 

Photo:Ichikawa Yasushi © Ryoichi Kurokawa Courtesy of KAMU kanazawa

「金沢の人気観光スポットである21世紀美術館は、年間250万人以上もの人々で溢れています。アートと言う文脈でそれだけの人が集まっているのであれば、21美と同じくらいのクオリティのものさえ提供できれば、人は確実にここに流れてくるはずだと予測しました」。

林田の狙いどおり、「KAMU」の名を冠した3つのアートスポット、広坂、香林坊、そして竪町商店街に点在するこれらの美術館は、これまで主要な観光ルートから外れていた竪町商店街に、新しい人の流れを呼び込むことに成功した。

「黒川さんのインスタレーションは、アート好きな人も、音楽好きな人も、いろんな人が興味をもってくれます。竪町商店街は個性的なお店が集う場所なので、ここにくる人々も音楽やファッションに対して強い興味をもっているはずです。竪町にとって親和性のある作家だと思います。いろんなカルチャーが存在している竪町商店街に、黒川さんの作品を融合させることができたのは、とても価値があることだったと思います」。

そう話してくれた林田は、竪町商店街の販促委員会のメンバーのひとりでもある。彼に今後の商店街の展望について聞いてみた。

「旅行客の視点で見れば、ショッピングを目的に竪町商店街を訪れる方は少ないと思います。今回、アートを好む人々の流れをつくれたのは、買物以外のコンテンツだからできたことです。だから、今後は竪町商店街がもつ21美の玄関口という優位性や、全長400メートルの直線道路というこの場の空気感を活用し、どういう風に付加価値をつけられるかを考えることが大事だと思います。販促委員会のメンバーの中には、いろんな視点で商店街の価値をつくっていこうとしている人たちがいて、それ自体も、すごい価値だと思います」。

Photo:Ichikawa Yasushi © Hiroko Kubo  Courtesy of KAMU kanazawa

「KAMU kanazawa」は、今後金沢で10館のアートスペースを点在させ、点と点をつないで人々が自然と街を回遊できる仕組みをつくる計画を立てていると言う。林田の構想は緻密な計算のもと、計画倒れに終わらず、短期的に具現化している。いずれは、移動式の美術館の構想も練っていると言う。アートとイベントを街づくりに取り入れた力強い事例を、21世紀美術館を中心としたこの地で体感できる。

「新しいことをはじめようと思っている人がいたら、竪町はすごくおすすめです」と林田。「そういう人を受け入れる土壌や体制はこの街にある。街のためにいい仕事をすれば、みんなが助けてくれるはずです」。

Information

〈KAMU BlackBlack〉に入場するためには、本館である広坂の〈KAMU Center〉で、全スペース共通のチケットを購入。どの展示スペースも徒歩数分の距離にあるため、街歩きをしながら現代アートを楽しむことができる。

▼KAMU Kanazawa 

入館料:1100円、小学生以下 無料(チケットの購入は広坂のKAMU Centerのみ)
閉館日:月曜日
住所:石川県金沢市広坂1-1-52 KAMU kanazawa

Website:https://ka-mu.com/

Instagram

▼竪町商店街

最新インタビュー:

「金沢の新しいアート&クラフトを楽しめる街へ。金沢竪町商店街の挑戦」
新コンセプトで再出発した竪町商店街について、理事メンバーが語りました!
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